農薬と大豆の話
自然農法・循環農法・天然農法・有機農法等々、農法に関する呼び名はさまざまです。 日本では平成12年1月20日より「有機農産物」 及び「有機農産物加工食品」について、特定JAS規格が定められ、平成13年4月1日より表示規制が開 始されています。 栽培時に使われる農薬や化成肥料の量やタイミングによって、以下のようないくつかの決まりがあります。 しかし、一般に言われる無農薬栽培とは、単なる技術上の分類だけではなく、生産者のポリシーが大きく影響します。
赤間農場では農薬を使わないために、葉っぱについた虫は一つひとつ、手でつぶして駆除しています。
「無農薬」という言葉の陰には、そのような手間をかけてでも大切に育てたいという、強い思いが必要なのだと思います。
ちなみに、現在日本に出回っている大豆は、97%程度が外国産。ほとんどが農薬や化学肥料で育った大豆です。
流通している国内産大豆はわずか3%ほど。しかも、その中で無農薬・無化学肥料栽培という大豆は、かなりの希少品だということをご理解ください。
1.有機栽培とは
有機農産物とは「化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、 播種又は植付け前2年以上(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年以上)の間、堆肥 等による土作りを行ったほ場において生産された農産物」と定義づけています。 大豆の場合、同じ畑で複数回栽培すると、土壌の栄養成分などが減少するため、通常 は前年にジャガイモなど、別の作物を栽培していた畑で耕作します。 そのような畑も含めて、3年以上化学合成された肥料や農薬が使われていない場合のみ、 有機栽培と呼ぶことができます。
2.無農薬・無化学肥料栽培とは
書いて字のごとく農薬を使用しないで栽培のことです。 無農薬栽培は肥料については一切問わないので、化学肥料やその他肥料は何を使っても構わない栽培方法ですが、「無農薬・無化学肥料栽培」は、栽培中に農薬も化学肥料も一切使用しないで栽培することです。
有機栽培のようにJAS法としての認証制度はありませんが、表示については農林水産省のガイドラインで定められています。 大豆の場合、前述のように圃場を毎年変えますので、作物の中には少量ながら農薬をまかなくてはならない(減農薬栽培)ものがあるため、『3年以内に1回も農薬を使用したことがない』という畑は実現しにくいのです。
上の写真は、8月後半に入って葉っぱが変色し始めたトヨコマチです。農薬をまいて栽培した大豆の場合、葉っぱにまで農薬が浸透しますので、有用なバクテリアなども死んでしまいます。そのため、葉っぱがこのように枝豆として収穫できる時期から、黄色っぽく変色することはありません。この変色を「焼け」と呼び、無農薬のあかしとも言えます。
弊社の無農薬栽培にご興味がある方は、以下の無農薬栽培計画書(平成20年度版)をご覧ください。いつどこで、誰がどのように栽培した大豆なのか、一目瞭然です(パスワード保護してりますので、パスワード発行のため会員登録が必要です。ご了承ください)。
■無農薬大豆栽培計画書1
■無農薬大豆栽培計画書2
■無農薬大豆栽培計画書3
これは、無農薬大豆の契約栽培をお願いしている赤間農場から、北海道有機農業研究会という、道庁の外郭機関に提出して、受理された書類です。
北海道の場合は、このような栽培計画書が無農薬で栽培している『証(あかし)』になります。
無農薬栽培の栽培資格を持つ会員の農家から計画書が提出されますと、現地の調査が行われ、計画書通りに栽培が行われる条件が整っているか、審査が行われます。
審査にパスすると栽培が許可されますが、その際の許可証のようなものは存在しません。
いずれにしましても、このような無農薬栽培の計画書の有無をご確認いただくことが、お客様にからの信頼につながると信じています。
3.特別栽培とは
これも農水省のガイドラインに基づいて行われる栽培方法です。
減農薬や減化学肥料とはその生産地で通常使用される農薬、化学肥料の50%以上を減らした栽培方法のことです。
『減農薬・無化学肥料栽培』や『無農薬・減化学肥料栽培』などさまざまな生産方法の組み合わせがあります。
また、無農薬・無化学肥料であっても有機農研などの農水省の認定機関により認証を受けていない場合は、この特別栽培に含まれてしまいます。