弊社(株式会社ラクトザイム)の公式ブログ記事より、
大豆に関するものを抜粋してみました。
ブログでは、大豆以外にも食品や健康、環境などに関する話題やマメ知識を書き込んでいますので、どうぞご覧下さい。
以前、新聞の1面広告に某食品メーカーの『スゴ◯ダイズ』という商品が出ていました。「大豆まるごと」でセロリ1本(100g)分の食物繊維が入っているそうです。
その上、食物繊維プラス生きたまま腸にとどきビフィズス菌を増やす「植物性乳酸菌」が入っていて、Wパワーという触れ込みです。
「植物性乳酸菌」は学術的には存在しない名称で、本来は「植物由来の乳酸菌」と書くべきもの。消費者を欺く事になりかねない不適切な表現で、最初に使い始めたカ◯メに◯塚も追従する形となりました。
さて「セロリ1本分の食物繊維」の方の真偽はどうでしょうか。
筆者は、『◯◯と同じだけ入っている』という漠然とした表現が嫌いです。
そもそも◯◯に、どのくらい食物繊維が入っているかなんて、あまりはっきりしていません。大豆に限らず産地や品種が違ったり、育て方が違えば含有成分なんていくらでも変わってしまうのです。
それはさておき、スゴ◯ダイズの栄養成分表示では、1パック(120ml)の食物繊維含有量は2.6gです。
参考までに、お仲間の◯塚チルド食品株式会社公表の一般的な食品中の食物繊維は以下の通りです。
など、もっと食物繊維が多い食品がたくさんあります。
スゴ◯ダイズが比較しているセロリ40g あたりの食物繊維量は生重量2.0gですから、100gで5gとなります。
セロリの繊維っぽいイメージから、食物繊維の代表選手に思えるから選んだのかと思いましたが、実際に上の表で計算してみますと、なぜ セロリと比較したのかが分かります。
セロリ以外の食物繊維を100gに換算すれば、スゴ◯ダイズに含まれる食物繊維の量、2.6gを軽く越えてしまうので、セロリしか比較には使えないのです。
比較的含有量の少ない、ほうれん草を食物繊維の比較対象にもしにくいでしょう。
一方、乾燥大豆は100gで17.5gもの食物繊維ですから、逆算するとスゴ◯ダイズには食物繊維換算で、大豆は正味でたった15g分しか入っていない、とも言えます。
宣伝文句というのは、かくも分かりにくいものなのです。
消費者にこんな計算されたら、売れなくなってしまいますが、こんな食品が巷にはあふれています。
食べるなら、加工してない大豆を食べていただきたいものです。